蛍の光

日本人にとって”蛍の光”は卒業式の定番曲であり、親しみ深い唱歌ですが…そのメロディーは元々はスコットランド民謡というのは、意外と知られている話と思います。

そのスコットランド民謡である”Auld Lang Syne”は日本の他にも様々な国に伝わっていて、その懐かしくもあるメロディーを異国の風景と聴いた…なんて経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

僕は今年の1月1日、日本では14時ごろなのですが、インターネットの中継でニューヨークはタイムズスクエアのカウントダウンを日本で観ていて、年が明け流れた”Auld Lang Syne”のメロディーは…終わりや始まりを感じられる場面で好まれ、思い入れ深く聴かれるという共通の感性、一体感みたいなものが、とても感動的でした。

また面白いと思ったのは第52回グラミー賞のBest Latin Jazz Albumにもノミネートされ、大きな話題となったMiguel Zenón“Esta Plena”。

ゼノンのテクニカルな演奏はそのままに、Plenaというプエルトリコの民族性あふれる音楽、スピリット。言葉では表現しにくい美しさのある作品でしたが、また注目なのがアルバムのラストを飾る”Despedida”という曲です。冒頭や曲中の一部に”Auld Lang Syne”のメロディーが華やかなリズムと共に見え隠れし、何だか少し不思議な気分です。

僕はスペイン語に明るくなく、この場合は厳密にはどう訳せば良いか解りませんが、タイトルの”Despedida”とは”別れ”のような意味があるそうです。

世界の至る場所で聴かれる”蛍の光”のメロディー。やはりどこか、感慨深いものがありますね。