フレド・ハーシュの弾くピアノ

かつてマイルス・デイヴィスやビル・エヴァンスが残した”悪魔的な魅力がある” “途方もなく美しい”、そんな言葉で語られるレコードを、僕は同世代としては楽しんだことがないのですが・・・(マイルスがこの世を去ったとき僕は13歳になる少し前で、ジャズには無関心だった)

じゃあ現代で、そんな心をゆさぶるような音楽とおまえは出会ったか?と問われれば、答えはイエスです。もちろん個人的な自説ではありますが。僕が思う”不思議な世界からやってきた奇跡”を一つあげるなら、それはフレド・ハーシュ(Fred Hersch)の弾くピアノです。

彼のピアノが何で美しいのか?何故こうも心を惹かれるのか?その余白、揺らぎに漂うものとは?ときどき、そんなことを僕は考えます。